紫  「あら、もう諦めたの? 折角全部集めといたのに」
  霊夢 「──!?」

 三人は目を丸くした。紫の手にはいつの間に1セットの麻雀牌が箱に入って抱えられている。
 霊夢はその中から牌を一枚ひったくり、太陽にかざした。確かに本物である。

  魔理沙「集めたら消えるってわけではなさそうだな」
  霊夢 「うーん」
  紫  「とりあえず、遊んでみたら? これで」

 紫が麻雀牌をぶちまける。状況も異変の全容も分からぬままに、事件は幕を開けたのだった。  
 ──彼女はずっと見ていた。
 人を紡ぐ赤い糸。切っても切れぬ強い絆。
 無意識の奥底にある、他人を想う淡い気持ち。

 彼女は、それが欲しかった。